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しきなみ短歌11月号より
白光集
● 岩槻 横山みつほ
この星にうまれて二十日たくましく乳のむ男(お)の孫(こ)未来輝け
茶をすすり初夏の林を眺めつつしみじみ思うこの静けさを
玄関のカサブランカの花の香のむせかえるごと匂う六月(みなづき)
群蛍集
● 前川第二 浅尾和子
年重ねにがき思い出うすらぎて日だまりでのむお茶の美味しさ
木もれ日にいざなわれゆく三峰山緑の中で猿のよこぎる
真砂集
● 三郷 加藤地次
初成りのきゅうりを食べし鴉さん孫だと思えば腹立ちもせず
草むらに尻尾をつなぐ紋白蝶からまれし弦押し分けてやる
● 大宮 和田せつ子
一面にレンゲツツジは咲きおりぬビーナスライン原のなだりに
春蝉とうぐいすの声聞こえ来るレンゲツツジの群れ咲く高原
● 前川 井田誠一
昔日の面影うすき隅田川川風涼し船旅をする
国訛りも混ざりて走るはとバスは見知らぬ人と会話弾みぬ
飛雲集
● ありがとうと言葉に出すと元気出る病の母へありがとう言う 松伏 岡田愛子
● 寝たきりで別れが来ると覚悟した母は会う毎生気増す日々 浦和法人 篠田喜弘
● じっと待ちしクラシック全集届いたり室全体がホールとなれり 岩槻 木城茂雄
● 父の日に子等集まりてプレゼント何もなくても集うはうれし 差間北原台 伊藤譲次
● 用水の流れが光る朝の町吾が住む里を愛してやまず 松伏 竹俣吉康
● 田の畦を行けばすばやく水中を逃げてゆきたりやごの集団 越谷 山下ヨシ子
● 梅雨明けに朽ちて枯れたる紫陽花は雨に優しく風に揺れてた 浦和法人 前田勝弘
青泉集
● 七夕に想いをたくす父の夢終の住み処で一緒に暮らす 浦和法人 浅野 博
● 星空に面影浮かび涙止まず七夕の日に逝きし我が祖母 浦和法人 小滝敏郎
● ふんわりと慈母観音のあたたかさ我れを見ている母のまなざし 浦和法人 久慈須美子
● 立葵目にもあざやかピンク色まっすぐな茎に我背をのばす 西行田 清水義夫
● 古き歌よみがえったか笑顔みせにこにこ唄う入所者建は 浦和法人 小山昭男
● 梅雨晴れ間水面に写る満月は鯉の動きでゆらゆらゆらぐ 浦和法人 國武建明
● 見渡せば朝方早く連なりて公園の側で歩く老人 浦和法人 堀切広子
● きょうこの日書を学ばんと集いくる永年の夢ついにはたせる 浦和法人 小野寺文男
● 夏本番又やって来た普及の日々早く飲みたい達成ビール 浦和法人 志村 厳
● 手いれたるカンナの花は垣に映えハルシャギクは雨に萎れり 浦和法人 荒井康治
● 七夕に願いをかけて思う事妻の身体の健やかな事 新郷 栗林重夫
● 水無月の連日差したるさ庭辺に淡く咲きたる沙羅双樹の花 越谷 米山照子
● 目の前を風にふんわり漂いてあざみの綿の流れゆきたり 越谷 大住賢治
● 遠くまで来てよかったと温泉の癒されており黄金風呂に 大宮氷川 内海頼子
● 幼児の声の応援背にうけて汗ダクダクで仕事にはげむ 大宮氷川 大竹豊子
● 雨上がり芝生に咲いたねじり花雨のしずくがねじれて落ちる 西行田 金子袈裟巳
作成日時:2009年10月12日 07:41
