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しきなみ短歌12月号より
白光集
● 平和の集い 岩槻 横山みつほ
おさな子がそっと浮かべる灯ろうに両手を合す平和の集い
灯を点しゆらゆら流るる灯ろうはひとつらなりに闇の中いく
対岸のジャズの音楽聴きいれば月ものぼりて心地よき風
群蛍集
● 梅雨の日 前川第二 浅尾和子
しとどふる梅雨の晴間のさ庭辺に一きわ映ゆる今朝のあじさい
梅雨の晴間逝きにし夫の三回忌声なきままに思い出語
○評 うっとうしい梅雨の長雨が止み、明るい太陽が謝す日に、三回忌を迎えた夫を思う。
真砂集
● 三郷 加藤地次
肌寒き霧に吹かるるこまくさの薄紫や蔵王の嶺に
山寺の斜面に負けじと杉木立我も我もと天高く伸びる
● 大宮 和田せつ子
莢はじけ小豆色してまろまろと姫緋扇の種光りいる
「あー」という感激の声発す夫今朝の味噌汁上出来なれば
● 前川 井田誠一
花の旅今年は行けずアルバムの小国の原のキスゲ眺むる
真夏でも雪をまとってそびえ立つ立山の連峰雲の湧き出る
飛雲集
● 早朝の捥ぎたてきゅうりを俎板に転がしころがし青さをいただく 松伏 岡田愛子
● 真央抱きて頬ずりすれど何処となくよそよそしくする我孫見つむ 浦和法人 篠田喜弘
● 念願の野球観戦孫達と夢の世界なりドームのなかは 岩槻 木城茂雄
● 保育園歌を習いし孫なれば吾が伴奏ですぐさま披露 差間北原台 伊藤譲次
● 塀を越え顔だすごとく紫陽花は我に向いて微笑む早朝 松伏 竹俣吉康
● ま向かいに落ち行く夕日今もなおぎらぎらぐらぐら燃えるがに見ゆ 越谷 山下ヨシ子
●夏草を刈り取り集めその匂い青枯れとなり熱風にのる 浦和法人 前田勝弘
青泉集
● 浦和法人 小山昭男
ソバ打ちを習い家族の笑む顔を思い浮かべてソバ粉をこねる
人生の恩返しにとサルを片手ケアセンターへ踊りの出前
○評 人の喜びを我が喜びとする作者の気持ちが素晴しい。
素直な詠みぶりにも好感が持てます。ザルを持っての踊りとは!アレですね!
見てみたいです
● 願い 浦和法人 小野寺文男
叶えたき願いのありて剃髪におもい切りよく未来へ向けて
目標とそして計画実践が結果をいだす方程式だ
○評 「願い」に向けて形から又心構えから入っていく雄々しさ。
詠みぶりよりも心意気をいただきました。
● 中尊寺金色堂の夏の夢芭蕉の想い父は重ねる 浦和法人 浅野 博
● プール行きソーメンたらふく夜花火夏の我が子らぐんぐん伸びよ 浦和法人 小滝敏郎
● 責められて心意固地にふるまえど人の情けにこみあげるもの 浦和法人 久慈須美子
● 伊勢志摩の島々つなぐ赤き橋ここより先の道は見えない 浦和法人 國武建明
● 蒸し暑き蝉の声にも疲れる頃季節は移り秋の気配に 浦和法人 堀切広子
● お盆の日親子家族の食卓はいつもの景色大事な景色 浦和法人 志村 厳
● 減量の此処が我慢のしどころとメタボなる腹手でさすりつつ 浦和法人 荒井康治
● 昔なら上る花火に声かける「玉屋」「鍵屋」と競争の如 新郷 栗林重夫
● 夏休み始まり蝉が鳴き出して我が家の娘らも成人となる 越谷 米山照子
● 会うたびに体小さくやせ細り空手の猛者もやさしき眼元 越谷 大住賢治
● この時季に収穫うれし夏野菜カレーに入れればひと味違う 大宮氷川 内海頼子
● 心配し娘がすすめる薬飲む何か良くなる気配感じる 大宮氷川 大竹豊子
● 行田蓮三千年の時を経て大きな花弁鮮やかに咲く 西行田 金子袈裟巳
● 古の懐いを今し咲かせたる行田の蓮は花托麗し 西行田 小沢政治
作成日時:2009年11月17日 19:53
