しきなみ短歌6月号より
白光集
●
岩槻 横山みつほ
念願の新居かないてローン組む娘夫婦の姿まぶしき
連日の大掃除終えてくつろげる居間に見ており低き夕映え
群蛍集
● 埼玉前川 浅尾和子
荒波を越えし我が家の歴史をば庭のムクの木凛とみつめる
夫逝きて年を重ねし初春もかわらず咲きし盆栽の梅
真砂集
● 命みな輝いていると車椅子の女性は語る新聞紙上で 埼玉 指扇 和田せつ子
● ありがとう一言なのに心地良し自分も他人も笑顔となりて 埼玉 前川 井田誠一
● 御来光寒さこらえて土手に立つ青空燃やしかっかとい出ぬ 埼玉 鷹野 加藤地次
飛雲集
● 天井をひねもす見詰む母独り「生き過ぎました」ポツリ呟く さいたま市南法人 篠田喜弘
● 口唇や鼻腔くすぐる香のたちぬ朝採りゆずの湯割り焼酎 吉川旭 竹俣吉康
● 我がいほは三郷の団地こいしくばたずね下さい五階にいます さいたま市南法人 前田勝弘
● 孫と風呂湯舟に遊ぶおもちゃより園でおぼえた歌うたうなり 差間北原台 伊藤譲次
● 賑やかに正月迎え母の笑む腰の痛みもしばし忘れて 吉川旭 岡田愛子
● 声高き新成人の歓声に若い生命を我が身に受ける 深谷 飯島秀子
● 正月の風物詩なり駅伝競争今年のヒーロー柏原選手 岩槻 木城茂雄
青泉集
● 妻 浦和法人 小山昭男
洗濯を毎日してる我が妻に口ては言えずそっと感謝す
洗濯もご飯作りもなにひとつできぬおれには家の神さん
◎評 素直で可愛気のある歌です。妻にとって最高に嬉しい言葉です。
二首目「家の神さん」を「妻は神さん」にしたらどうでしょう。短歌は一首独立ですから。
● ウエスト行田 小澤政治
冬畑に三すじの煙立ち昇り義母(はは)の葬列しのびてゆれる
風止みて塔婆鳴らした寒さゆく義母(はは)の墓前に祈りたる朝
◎評 当地の野辺の送りに煙りを三すじ立てられるのでしょうか。昇天を思わせ尚淋しさがつのります。
その後の墓参りを詩的に詠まれた秀作。
● 太宰府は梅がきれいで餅うまい良い処だな九州は実に さいたま市南法人 志村 厳
● 我が魂の仮の宿たるマンシヨンの窓につきたる氷りの愛し さいたま市南法人 工藤良衛
● 歩道にて見つけた親子靴元を子八分音符母四分音符 さいたま市南法人 堀切広子
● 白き華木立をおちるこな雪にしばしあいだのふるさと想う さいたま市南法人 小野寺文男
● おはようとかわいいあいさつ返る時われらの笑顔も更に輝く 浦和法人 久慈須美子
● 屋根の窓は序々に積もれる雪のため見るたびせまくなるを楽しむ さいたま市南法人 國武建明
● 古代より同じ時空の内宮に響く拍手心凛とす さいたま市南法人 小滝敏郎
● 俯きて静かに吐露する胸の内父の想いは冬の雪 浦和法人 浅野 博
● にっこりと笑いあう顔尊けれ孫に.癒され生きる幸せ さいたま市南法人 荒井康治
● 義理チョコをもらったあとにすぐに来るホワイトデーのお返しがある 新郷 栗林重夫
● 孫達とたわむれ楽しいひとときに杳き子育て思い出すなり 大宮氷川 大竹豊子
● 冬空に雪かき腰にずっしりと精出す兄の長靴すがた 大宮氷川 内海頼子
● 通い道冬晴れの朝青い空深呼吸して気分爽快 ウエスト行田 清水義夫
● 白銀をかけわけ進むはくたかは我夢乗せてひたすら走る ウエスト行田 金子袈裟巳














































