しきなみ短歌5月号より
白光集
● 孫 岩槻 横山みつほ
孫と撮る満面笑みの吾が居て黄葉かがやく銀杏の木下
陽(はる)ちゃんが寝返りうった今日の日は長い人生の記念すべき日
群蛍集
● 埼玉前川 浅尾和子
仲よしの友にさそわれ紅葉狩り心ははずむゴムマリのように
天高くそぞろ歩きの散歩道絵巻のように紅葉あざやか
真砂集
● ひかり宿して 埼玉 指扇 和田せつ子
緊急の手術終えたる母はいま管(くだ)につながれただ眠るのみ
母の頬赤みさしきて声かくるひかり宿して目覚し朝に
○評 お母様の様子をやさしく丁寧に詠まれました。
● 師走でも昔日のような風情なくただ気忙しく一日終る 埼玉 前川 井田誠一
● 中締めの挨拶せよと賜りてしたたかに生きよと皆を励ます 埼玉 鷹野 加藤地次
飛雲集
● 初体験ママから離れ二時間を一歳やっとで待つ孫誉める 吉川旭 岡田愛子
● 強風にあおられ電車停車中急げる雲と我は会話す さいたま市南法人 前田勝弘
● 元旦に見舞う言の葉「おめでとう」年を越せたと母は笑みたり さいたま市南法人 篠田喜弘
● 師走の夜表参道差す光り不景気なれど街は明るし 差間北原台 伊藤譲次
● 車椅子のスタッフ忙しコンサート歌と踊りを妻と観ている 岩槻 木城茂雄
● 寒風に負けじとばかり飛び交いぬ中小商人鳥にも似てる 吉川旭 竹俣吉康
● 何程の役に立ちしか来し方も恵まれて居りただ有り難き 南越谷 山下ヨシ子
青泉集
● 子らと初恋の人 さいたま市法人 小滝敏郎
校庭で吐く息白く遊ぶ子ら軽く飛びはねうさぎのごとし
同窓会初恋の人の写真見て妻が一言「奇麗な人ね」
○評 一首目、冬の校庭で遊ぶ子等はまさに元気なうさぎ。
二首目、年月を重ねたご夫妻ゆえの奥様の余裕と受けとりました。
● さいたま市法人 工藤良衛
薄氷パリンと割れて懐かしむ喜び跳んだ幼き頃を
歌作り試行錯誤で今日もまた風呂でトイレで二十分過ぐ
○評 薄氷の割れる擬音と幼い頃が相応しています。
あらゆる場所で指折り歌作りをしたそのことが歌になりました。
二首共、おおかたの誰もが思い当たって共感する歌です。
● いくつなの聞かれおもわず齢を言い若いつもりがそうでもないか さいたま市南法人 志村 厳
● お正月家族のきずなたしかだよあふれる幸を亡夫(つま)にとどけん 浦和法人 久慈須美子
● ぼたん雪白く泡立つ波しぶき父とたたずむ冬日本海 浦和法人 浅野 博
● 大晦日母の手作り切餅の元旦過ぎて青かび悔やむ さいたま市南法人 堀切広子
● 清明に照れる満月西空に初日は追うごと昇り始めぬ さいたま市南法人 國武建明
● 孫五人年始に来たるお年玉見栄をはりたりにこにこ渡す 浦和法人 小山昭男
● 初参り並びて受けるご祈祷の霊験あれと長き列なす さいたま市南法人 荒井康治
● 年初め初詣でより店まわり「お客第一」この年も行く 新郷 栗林重夫
● 獅子舞いと赤い扇子の置き物に正月気分湧き出ずるなり 南越谷 米山照子
● 姉のダンス見ては真似する二歳子飛んでもはねても力及ばず 大宮氷川 大竹豊子
● 「よいしょっと」つい口に出しいつの間に吾年齢を体で感ず 大宮氷川 内海頼子
● 年の瀬に年賀のハガキ整理する喪中のハガキにせつない別れ ウエスト行田 金子袈裟巳
● 紅葉狩ゴルフも楽しめ最高だむさしのクラブは楽しい会だ ウエスト行田 清水義夫
● 陽だまりを車の窓からぬってゆくまぶしさひらり冬のドライブ ウエスト行田 小澤政治
● 寮に居る高二の娘帰らぬとテニス打ち込むそれもまたよし 深谷 小池 博